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週末起業の心得

 週末起業をはじめるには、多少心得というのがあります。そのひとつは、時間を使う覚悟をするということです。これまでだらだらとテレビを見ていたり、趣味の読書に熱中していたり、インターネットで遊んでいた時間を、週末起業の時間に使うという覚悟です。週末、に限りませんが、会社勤めの合間にビジネスを行なうということは自分の自由時間が減ることでもあります。サイドビジネスが「楽しい」と感じられる間はそんなことにはならないと思いますが、気力がなくなったとき、休みがない状態というのは苦痛に感じられることもあります。それに堪えて踏ん張れる覚悟があるか、また失敗したとしても無駄にした時間を惜しまずにいられるかということになります。
 次は会社との折り合いの問題です。週末企業で成功した、という話が、実際に生の声として聞こえてくることはあまりありません。なぜなら、週末企業は会社勤めをしながら、ということが前提ですから、会社に隠してビジネスをしているという人も多いからです。最近は会社の給料だけでは食べていけない、という人も増えてきたため、副業禁止の社内規定を廃止する企業も増えてきました。ですがちょっと前までは、会社に勤めながら、違う収入を得るというのはおおっぴらにするものではなかったわけです。今も副業禁止の会社はもちろんあります。副業禁止の会社に勤めながら副業するということは、首になってしまう可能性もあり、安定した収入を失う危険もあるということです。今は裁判になっても、会社の仕事に悪影響が出たり、会社に不利益となる情報を漏らしたり、というようなことがなければ副業をしていて会社を首にするというのは違法という判決が多く出ています。ですがいざとなったら会社を訴えるというのはかなり気力が必要です。副業が禁止されていない会社だとしても、急な残業や休日出勤が全くできないというような状況になれば、本業である会社勤め出世できないかもしれませんし、信頼を失うことがあるかもしれません。また、通常同じ会社に勤める同僚とは、それほど大きく収入には差が出ないことがほとんどです。自分が周囲の人よりも大きな収入を得ていると知られると、やっかまれて会社勤めで足を引っ張られたり、良くないウワサを流されたりするケースもあります。
 また、週末起業は確実に当たり外れがあります。週末起業をした人が全て最初に立ち上げたビジネスで成功するとは限りません。むしろ失敗する人のほうが多いかもしれません。
 いくら週末起業が、それ1本で勝負する起業に比べてリスクが低いとはいえ、様々なリスクやしがらみはやはりあります。それでもやってみたい、そんな強い気持ちも必要なのです。

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