いざ週末起業をしようとした場合、マルチに目がいく人もいるのではないでしょうか。なぜ週末起業希望者にとって、マルチ商法が魅力的に見えるのか考えてみましょう。
一般的にマルチ商法とは、連鎖販売取引のことを指します。連鎖販売取引というのは、加盟者が新規加盟者を誘い、その加盟者がさらに別の加盟者を誘引するという連鎖がある商売のことです。基本的にマルチに加入するには、何らかの「商品」を購入する必要があり、商品を販売することがそのまま加盟社の勧誘になっていくという手法で、ねずみ講に近いものです。ねずみ講との違いは、「商品が存在する」という点です。
こうしたマルチ商法は、人を勧誘することが必要です。自分が会社にいない時間、つまり週末起業に使える時間帯は、多くの人が自宅にいることが多いものですから、週末起業としてはとても都合がいいのです。週末を家で巣篭もりしている人がいれば、自分が休みである週末に勧誘にでかけることができますよね。それに加えてマルチ商法は、通常の物販に比較して大きな収入を得やすく、また自分が勧誘した人が新たに誰かを勧誘することで、自分が勧誘しなくても利益を得ることができます。魅力的に見えてしまうのも仕方ないかも知れませんね。ですがもちろん、マルチ商法そのものは合法といえども、すべての人が設けられる仕組みではありません。また、勧誘方法にも厳しい制約があり、ちょっと強引に勧誘してしまえば自分が犯罪者になってしまうこともあります。会社勤めの人は、会社の同僚を勧誘することもできますが、熱心に勧誘して回る人は社内では信用を得ることはできませんし、むしろ疎ましがられてしまうのが普通です。そして仕事で作った人脈を、マルチの勧誘に使うのはルール違反そのもの。それに加えて社内規定でそうした勧誘を禁じているところも多いので、安定した定職を失ってしまうこともありますし、ノルマが多くて、家族や親戚、友人に誘いを掛けてこれまでの人間関係を失ってしまうこともあるのです。それから個人事業主や週末起業で法人になった場合、マルチ商法のクーリングオフができません。クーリングオフは、事業主ではなく、消費者を守るための法律だからです。確かにマルチは魅力的です。ですがやはり大きなリスクが存在するということは忘れないで下さい。